我が国の国内規格の国際規格への整合政策の一環として、電気用品等規格・基準国際化委員会第34-2委員会/JIS原案作成委員会内に舞台照明用照明器具分科会が平成10年度に組織されました。
 JATETでは、これに合わせて『演出空間用照明器具のJIS規格化(IEC整合)調査研究会』(以下、JIS研と略記します。)を発足させ、平成10・11年度の2年間その活動を行いましたので、概要を紹介いたします。


(平成10年度の主な活動)
 JIS原案作成委員会分科会の主務は、原規格である国際規格をJIS(日本工業規格)として取り込むにあたっての諸問題の抽出と対応案の策定で、舞台照明用照明器具の場合には、IEC(国際電気標準会議)が制定した IEC 60598-2-17『照明器具─第2部:個別要求事項 第17節 舞台照明,テレビ,映画及び写真スタジオ用の照明器具』が原規格となっております。
 IEC 60598-2-17 は、親規格である IEC 60598-1『照明器具─第1部:共通要求事項及び試験』を引用する形で組み合わせて成立するもので、対応する JIS C 8105-2-17『照明器具─ 第2-17部:舞台照明、テレビ、映画及び写真スタジオ用の照明器具に関する安全性要求事項』も、JIS C 8105-1『照明器具─第1部:安全性要求事項通則』と組み合わせた規格体系となっております。

 JATETではJIS研の研究員から代表者6名を上記の分科会に派遣し、原案策定の審議に参加しました。
 上記 JIS 原案は、その後上位機関での審議を経て平成12年3月20日付で制定され、平成12年5月に日本規格協会から発行されております。


(平成11年度の主な活動)
 上記の JIS C 8105-2-17 は、IEC対応規格であるため、原規格に規定されていない項目を独自に規定することは出来ません。しかし、舞台照明器具の安全性と使用者の利便性を向上させる為には、安全表示の統一化や機材の互換性などに関する規格、若しくはガイドラインの制定を望む声も多く、JIS研においては「ダボとダボ受けの寸法規格」「フィルタホルダとフィルタホルダ枠の寸法規格」を策定し、JATET規格案としてとりまとめました。

 上記2つの規格案は、その後JATET内での審議を経て平成12年3月28日付で以下の通り制定・発行されています。

JATET-L-9130
 「演出空間用照明機器類のダボ及びダボ受けの寸法規格」

JATET-L-9140
 「演出空間用照明器具のフィルタホルダ及びフィルタホルダ枠の寸法規格」


演出空間用照明器具のJIS規格化(IEC整合)調査研究会