JATET FORUM 2007    舞台技術の今後の方向性


舞台技術は建築・機構・照明・音響・映像・舞台美術など多方面の技術的な蓄積のもとに成立っています。近年、舞台技術はいろいろな面で進歩発展をしています。しかし、これらの舞台技術は、自分の専門分野については詳しくても、同じ舞台技術の他分野については十分に知識を得ていないこともあります。今回のJATET FORUM 2007では、現在話題になっていることや舞台技術の変遷を紹介することにより、同分野の専門家間の知見の交流はもちろん、他分野の専門家の方に対しても最新の話題を提供したいと思います。JATET FORUM 2007では普段、技術委員会で行われている活動をもとに「舞台技術の今後の方向性」について考えていきたいと思います。


開催日時 2007年 9月4日(火)、5日(水) AM9:30


■会 場 日本大学理工学部1号館6CSTホール

101-8308 東京都千代田区神田駿河台1-8-14


■プログラム

□9月4日 (火)

09:30 受付開始

10:00 開会式

10:15−11:45 特別講演「シルク・ドゥ・ソレイユの舞台技術」(仮題)シルク・ドゥ・ソレイユ社


11:45−13:15 昼休み

13:15 セミナー1 「舞台機構の安全と保守」 機構部会 講師 桂川潤次郎

大重量物を手動カウンターウェートバトン並に自在に昇降できる電動バトンの要求に応え、可変速、停止位置設定、大容量化、データ入力の簡易化等の開発を続けてきた。工事費、設置スペース、マシン重量等の条件下では十分な成果と思われる。積載荷重、カウンターウェート操作が不要等の点では勝っているが、自在な操作の点では、熟練技能者が扱う手動カウンターウェートバトンに及ばないであろう。舞台機構は人が動かすことを前提としていたため当然の結果である。最近では、自治体等の財政事情の悪化から、技術開発よりも技能者の不足、技量低下、保守費用の削減等、安全軽視につながる問題が出ており、その危険性について述べたい。


14:30 セミナー2「仮設に対応する電源設備について」 音響部会

講師 八幡泰彦、中川堅司、磯部正弘

現在3千館に達する文化施設の殆どは"多目的"に造られている。これは各自治体の事情やニーズに対応すべく計画されたものだからである。所謂『プロ』の劇団やチームの要望に万全の態勢をとるよりも、地元の要望にゆとりを持って対応できることを目標値に置いている。ところが近年の傾向として音響の表現行為に用いる電力の不足が指摘される場面が多く見られるようになり、今後も増加傾向を辿っている。劇場での環境経験―静寂、暗黒、規模―は劇場以外体験できないものになりつつある現在、JATETとして「音響」の可能性を探りたい。


16:15−18:15 シンポジウム1 「舞台技術の変遷と今後の方向性」 技術委員会

パネラー 勝又英明(建築部会)他建築部会員、桂川潤次郎(機構部会)

八幡泰彦(音響部会)、伊藤安雄(照明部会)、大澤博二(映像部会) 他

劇場演出空間技術の推移を明らかにし、その背景と理由を探る建築、機構、照明、音響、映像、美術の各分野において、戦後60年間でどのような変化があったかを、共通プラットフォーム(年表)でまとめる。また音楽、演劇などの演出の系譜との比較も行いたい。この各分野の共通プラットフォーム(年表)を比較することにより、劇場演出空間技術の推移、劇場演出空間技術のターニングポイント、劇場演出空間技術の今後の方向性、各分野相互間の問題点、などについて理解を深め、今後の舞台技術の方向性を探りたい。


18:30−20:30 懇親会 (会場:日本大学理工学部1号館2階カフェテリア)


□9月5日 (水)

09:30 受付開始

10:00−12:00 シンポジウム2「魅力的な演出空間を創出するための電気設備の安全」技術委員会

講師 社団法人電気設備学会 渡邉良三氏 他

近年の演出空間における公演は、年々その規模が拡大し、演出が複雑化してきている。複雑多岐にわたる動きを要求される舞台機構、変幻自在に変化しなくてはいけない舞台照明、微細音から大音量まで自在な操作が要求される舞台音響。これらの演出的要求を満たすために、舞台設備は大容量の電力が必要になった。そのため、演出空間での電気的安全を確保するために、平成11年「劇場等演出空間電気設備指針」を(社)電気設備学会とJATETが共同で編集し発行し、「演出空間仮設電気設備指針」が昨年(社)電気設備学会より発行された。両指針の成立ちと、その必要性について解説する。

12:00−13:30 昼休み

13:30 セミナー3「舞台における大型映像の利用について―デジタル映像の躍進―」映像部会

講師 佐藤彰洋

舞台・イベント等の演出空間において、演出効果及び一斉情報伝達の機能を高める一つの方法として大型映像装置が考えられる。単に映像を大きくするだけでは機能を果たすことにはならない。高細密高画質にすることで迫力や臨場感が生まれ、映像との一体感を味合えることとなる。

この一環として、現在進歩の著しい「シネコン」を取り上げ、デジタルシネマに関する新しい映像ビジネスの現状について述べ、次の利用への参考としたい。


15:00 セミナー4「舞台照明設備の適正更新時期」 照明部会  講師 齋藤公治 他

照明部会では、JATETフォーラム2005において「劇場等演出空間用照明設備更新の為のガイドライン策定」の中間報告を行った。その後、劣化判定シート及び判定結果に基づく適正更新時期の検討を重ね、このたびガイドラインを発行することができた。今回のセミナーでは当ガイドラインにおける適正更新時期の考え方、劣化判定シートの利用方法などを中心に報告を行い、ガイドライン有効活用の一助としたい。


16:45−18:15 セミナー5「木造芝居小屋の魅力」 建築部会      講師 山崎泰孝 他

日本の芸能は日本の空間で育った。材料や空間の大きさ、舞台構成、音の響き等、空間のもつ性質と、そこで育まれた芸能のあり方は不可分であることは自明だ。その日本固有の芸能空間である木造芝居小屋の音響測定を行い、映像とともにその音響的分析を示して、日本の劇場的空間について議論する。更に、様々な分野の方から江戸の芝居小屋空間の研究発表等と合わせて、近代(西洋)化により失った日本固有の空間の魅力を浮き彫りにし、これからの劇場空間のあり方を考える契機としたい。

18:30 閉会

主催:社団法人 劇場演出空間技術協会(JATET)

後援:経済産業省

協賛(予定):(社)全国公立文化施設協会、日本舞台監督協会、(社)日本建築家協会、(社)日本照明家協会、日本舞台音響家協会、日本舞台美術家協会、(社)日本芸能実演家団体協議会、劇場等演出空間運用基準協議会、全国舞台テレビ照明事業協同組合、日本舞台音響事業協同組合、日本プロフェッショナルオーディオ協議会、特定ラジオマイク利用者連盟、舞台運営事業協同組合連合会、OISTAT(劇場芸術国際組織)日本センター、日本舞台技術総合研修センター、(社)日本照明器具工業会、(社)日本建築学会、(社)電気設備学会、(社)日本照明学会、(社)日本音響学会、韓国産業技術院(Korea Testing Laboratory (KTL) )

日本建築家協会 CPD単位申請中


申込み先・申し込み締め切り

社団法人 劇場演出空間技術協会 

101-0045 東京都千代田区神田鍛冶町386 第一古川ビル 2A

TEL 03-5289-8858  FAX 03-3258-2400

申込締め切り 2007822日必着 先着200

■申込み方法

@別紙「JATET FORUM 2007参加申込書」をプリントし、必要事項を書き込み、

FAX 03-3258-2400 (社)劇場演出空間技術協会まで送って下さい。

または E-mail では、別紙「E-mail参加申込書」に必要事項を書き込み、メールに貼り付けて、または添付ファイルで、 info@jatet.or.jp 宛 お送り下さい 

A必要な参加費用を申込書で選択された送金方法で送金して下さい。

B参加申込と送金が確認された方に、後日、資料集をダウンロードするためのIDPassword をご連絡しますので、JATETWebsiteより、ダウンロードして下さい。(会場にはAC電源がございませんのでご注意下さい。)


■参加費

@フォーラム(2日間)

JATET会員 2,000協賛団体会員 2,000一 般 3,000円、学 生 500


A懇親会費(初日)

  JATET会員協賛団体会員 般 4,000 学 生 2,500

■送金方法  以下のどちらかでお振込み下さい。

@郵便振込み

加入者名: (社)劇場演出空間技術協会口座番号: 00110--714077

A銀行振込み

三菱東京UFJ銀行 神田駅前支店 普通預金

口座名 : 社団法人 劇場演出空間技術協会、口座番号: 1169146


■資料集プリントサービス

ダウンロードできない参加者でご希望の方に、資料集をプリントします。

「参加申込書」の「資料集作成」欄の「プリント」に○印を付け、

参加費に500円を追加してご送金下さい。当日会場でプリントを差し上げます。

以上